世界には様々な海底トンネルがありますが、その点では日本も負けていません。
なぜなら日本には、世界初の海底トンネルや、世界最長の海底トンネルも存在しているからです。
海底トンネルに興味があるという方は、日本にどんな海底トンネルがあるか、ぜひ学んでおきましょう。
今回は、日本が誇る5つの海底トンネルを厳選して紹介していきます。
日本の海底トンネル①関門鉄道トンネル
「関門鉄道トンネル」は、関門海峡を挟んだ、本州と九州をつなぐ海底トンネルです。
関門鉄道トンネルは、鉄道の山陽本線が通っているルートのなかにあり、山口県の下関駅から福岡県の門司駅に行くまでの間に通ります。
トンネルは単線2本で、上り線は全長3614.04メートル、下り線は全長3604.63メートルあります。
関門鉄道トンネルは、世界最古の海底トンネルとしても有名です。
関門鉄道トンネルの完成は、昭和17年にまでさかのぼります。
完成当初は貨物営業の用途に使われていましたが、その後すぐに旅客機用にも使われるようになりました。
日本の海底トンネル②関門国道トンネル
関門国道トンネルは、関門鉄道トンネル同様、関門海峡を結んでいる海底トンネルです。
こちらは鉄道ではなく、自動車で通行する用のトンネルです。
全長は鉄道トンネルより少し短い3,461メートルで、道路は片側一車線となっています。
関門国道トンネルの道路は国道ですが、海底トンネルの維持コストがあるため、通るには通行料がかかります。
とはいえ通行料は普通車で150円、軽自動車なら100円と、非常に安価です。
関門国道トンネルは上下の2層構造になっており、国道の下には、人が歩ける「関門トンネル人道」もあります。
人道の長さは780メートルで、10~15分程度で、歩いて対岸まで渡れます。
人道では徒歩のほか、自転車や原付バイクを押して歩くことも可能です。
歩行者は無料ですが、自転車や原付きバイクを押して歩く場合、20円の通行料がかかります。
この人道はウォーキングスポットとして、地元の人たちから人気となっています。
日本の海底トンネル③青函トンネル
「青函トンネル」は、北海道と本州の青森県を結ぶ海底トンネルです。
青函トンネルには、JR津軽海峡線の路線が通っています。
青函トンネルの全長は、53.85kmにもおよびます。
2016年に、スイスに全長57kmの「ゴッタルドベーストンネル」が完成するまで、青函トンネルは世界最長のトンネルでした。
トンネルの全長で言えば世界2位に落ちましたが、海底トンネルとしては今でも世界最長の座を保持しています。
とはいえトンネルの全長のうち、海底部分は23.3kmしかなく、海底部分の長さではイギリスとフランスを結ぶ「英仏海峡トンネル」の38km(全長は50km)にはおよびません。
しかしそれでも、青函トンネルが、日本が世界に誇る海底トンネルだということには変わりありません。
日本の海底トンネル④東京湾アクアライン
「東京湾アクアライン」は、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を、東京湾を挟んで結ぶ海底トンネルです。
東京湾アクアラインは、自動車専用の有料道路となっています。
東京湾アクアラインの通行料は、以下のとおりです。
軽自動車等 | 普通車 | 中型車 | 大型車 | 特大車 | |
通常 | 2,470円 | 3,090円 | 3,700円 | 5,090円 | 8,490円 |
ETC車 | 640円 | 800円 | 960円 | 1,320円 | 2,200円 |
東京湾アクアラインは、海底トンネルの「アクアライントンネル」と、「アクアブリッジ」という橋で構成されています。
アクアライントンネルとアクアブリッジの接続部には、「海ほたる」という人工島があります。
海ほたるは、レストランやサービス施設も豊富で、東京湾に浮かぶパーキングエリアとして人気です。
日本の海底トンネル⑤川崎港海底トンネル
「川崎港海底トンネル」は、神奈川県川崎市の千鳥町と、人工島の東扇島を結ぶ海底トンネルです。
川崎港海底トンネルの全長は、2,180メートルです。
もともと人道として作られたため、車の通行が禁止されていましたが、現在では車も通れるようになっています。
車が通れるようになった今でも人道は残っており、歩行者はもちろん、自転車を押して歩くことも可能です。
川崎港海底トンネルは海底トンネルとしては小規模ですが、人道の海底トンネルとしては日本最長です。
まとめ
日本には、海を挟んだ陸地と陸地をつなぐ海底トンネルが複数あります。
国内で有名な海底トンネルは、以下の5つです。
- 関門鉄道トンネル
- 関門国道トンネル
- 青函トンネル
- 東京湾アクアライン
- 川崎港海底トンネル
これらのなかでも、世界初の海底トンネルである「関門鉄道トンネル」や、世界最長の「青函トンネル」は世界に誇れると言っていいでしょう。
近くに立ち寄った際には、ぜひこれらの海底トンネルを通ってみてはどうでしょうか。