数々の世界記録を生み出した水着「レーザー・レーサー」とは!?

マリンスポーツ・レジャー

数々の世界記録を生み出した水着「レーザー・レーサー」とは!?

2008年の北京オリンピックは水泳界にとって、とてもセンセーショナルな出来事が起こりました。「レーザー・レーサー」という水着を着用した選手たちが驚異的なタイムをたたき出し、世界記録を23個も塗り替えることとなったのです。そして、そのレーザー・レーサーは現在使用禁止となっています。何故、レーザー・レーサーは新たな記録を数々も生み出し、そして禁止になったのでしょうか。レーザー・レーサーとは一体なんだったのか、今回は、そんなレーザー・レーサーについてご紹介します。

目次

レーザー・レーサーとは

オリンピックの歴史から紐解く、驚くべき競泳水着の進化
競泳水着界にとって、東京オリンピックから続く50年以上はまさに進化の歴史でもありました。特にソウルオリンピック(1988年)以降は泳ぐことによる水の抵抗をどれだけ抑えられるかといった、より科学的ともいえる理論を用いて競泳水着が作られていくようになりました。

特に、シドニーオリンピック(2000年)以降は泳ぎ姿勢やその時の体が受ける抵抗なども考慮に入れた水着開発が次々に行われるようになっていったのです。その中で、体全体が受ける水の抵抗を抑え、体の動きを制御するために全身を覆うような競泳水着が最も適しているとされたのした。このようにただ泳ぐために着用するのではなく、まさに現代の技術の粋を尽くしたような水着を「ハイテク水着」と呼んでいます。
レーザー・レーサーとは

出典:Rakuten

レーザー・レーサーはハイテク水着の究極系ともいえるものでした。イギリスの老舗水着メーカーであるSPEEDO社がレーザー・レーサーを開発したのですが、アメリカ航空宇宙局(NASA)やニュージーランドの名門オタゴ大学、オーストラリア国立スポーツ研究所など様々な専門家の協力を得て生まれたものでした。

レーザー・レーサーの大きな特徴は、水着に縫い目がないということです。特殊な超音波で接着されているため、縫い目が存在しないのです。これによって抵抗が軽減され、撥水性にも優れるというメリットがありました。

また、水着の表面にLZR Panelという特殊なポリウレタン素材のものが接着されており、体を締め付ける効果が非常に高くなっています。これは、泳ぐ際に筋肉の隆起など体の変化を抑えるのが目的です。

現代の水泳界においては、大きく泳ぐのではなく常に同じ体の形で変化の小さい泳ぎ方をするほうがタイムが伸びるという人間工学に基づいた研究が生かされているのです。レーザー・レーサーはまさに、人を魚に変えてくれるような魔法の水着に他ならなかったのです。

レーザー・レーサーで生まれた記録

競泳水着レーザーレーサー
2008年の北京オリンピックでは、レーザー・レーサーを着用した選手が次々と世界記録を更新していくようになりました。

200メートル自由形決勝では世界的にも有名なアメリカのマイケル・フェルプス選手が1分42秒96で世界新記録を樹立しました。この北京オリンピックでフェルプスは団体競技も含めて6種目で世界新記録を達成するなどまさに「フェルプスの北京オリンピック」ともいえる活躍を果たしました。

また、200メートル背泳ぎではライアン・ロクテ選手が1分53秒94で世界新記録となりました。日本人選手では北島康介選手が100メートル平泳ぎで58秒91の世界新記録を樹立したほか、200メートル平泳ぎでは2分07秒64というオリンピック新記録をたたき出しました。

このようにもちろん選手の能力が第一ではありますが、タイムの大幅な行進はレーザー・レーサーによる貢献も非常に大きいでしょう。この大会では、23もの世界新記録が生まれることとなりました。

レーザー・レーサーはなぜ禁止になったのか

レーザー・レーサー

出典:Rakuten

2009年7月24日に行われた国際水泳連盟(FINA)の会議において、2010年より水着の素材を布地の身にするというルールが設けられました。これによって、水着の素材は「繊維を織る・編む・紡ぐという工程でのみで加工した素材」に限定されることとなりました。

また、競技時における体を水着が覆う範囲も明確に定められることとなりました。このため、レーザー・レーサーのような素材の水着は競技からは排除されていくこととなったのです。

競泳に限らず、スポーツにおいては本来、力と技術の戦いが大前提であることは言うまでもありません。しかし、レーザー・レーサーは競泳水着として「選手をサポートする役割を持った存在」から「主役」になろうとするものであったのかもしれません。

あくまでも選手個人同士の実力を競い合うものとして、選手をサポートする役割に限定されるためのレーザー・レーサー廃止という決定でだったのです。しかし、世界中の競泳水着メーカーは今後もルールの範囲内でより進化したものを開発することになるでしょう。2020年の東京オリンピックでは選手同士の戦いはもちろん、メーカー各社の戦いも厚いものになっているのかもしれません。

TOP画像出典:Rakuten

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