水しぶきをあげて海上を爽走する「ジェットスキー」。大人の贅沢なレジャーのイメージですが、1人で運転して乗り回すためには、まず操縦免許を取得しなければなりません。今回はそんなジェットスキーの免許について紹介します。
ジェットスキーの免許とは
ジェットスキーは後ろに乗せてもらうだけなら免許は不要ですが、自ら運転して、1人で乗り回すためには、船舶操縦免許のひとつ「特殊小型船舶操縦士免許」が必要となります。湖岸や海岸から2海里(約3.7km)までの水域を操縦できる資格で、この資格がなければ他の船舶操縦免許を所有していても操縦することができません。平成29年3月現在で300万人以上がこの免許を所有していて、その数は年々増加しています。
船舶免許の種類
小型船舶操縦士の試験は操縦できる水面の範囲や船の種類によって 一級小型船舶操縦士、二級小型船舶操縦士、特殊小型船舶操縦士に分かれています。船舶の免許は、スポーツやレクリエーションに限定されたボートを無制限に操縦できる「一級小型船舶操縦士」、海岸から5海里(約9km)まで操縦できる「二級小型船舶操縦士」、さらに湖や川に限定された「二級小型船舶操縦士(湖川)」と、ジェットスキーやマリンジェットなどの「水上オートバイ」に特化した「特殊小型船舶操縦士」の4種あります。一級、二級の免許を持っていても、特殊小型船舶操縦士の免許を所有していなければジェットスキーを操縦することはできません。
また、小型船舶操縦士の免許は、国際的な取り決めが無く、各国独自の免許制度になっており、免許制度そのものの存在がない場合もあります。そのため日本で取得した免許を海外で使用したり、海外で取得した免許を日本で使用したりすることはできません(ヨットレース等では特例を認める場合があります)。
免許の取得方法と取得できる場所
免許を取得するには国家試験を経て取得しますが、大きく分けて以下の3つの方法があります。小型船舶操縦者の心得や遵守事項、交通方法や、操縦技術、ロープの結び方、点検方法など、しっかり身につけ免許取得に臨みましょう。
①ライセンススクールやマリンショップで講習を受ける
ボートや水上スキーの販売を行なっているスクールの講習を受講して、国家試験を受験します。講習日数や受講料はスクールによって異なりますが、早ければ2日で合格できます。
②一般財団法人日本船舶職員要請協会(JEIS)の教習を受ける
全国各地区にあるJEISで「小型旅客安全講習」の教習を受け、修了試験を受けます。この試験に合格すると国家試験が免除されます。
③独学で学科を突破し、実技だけスクール受講する
教本を買って自力で国家試験を受け、実技だけをスクールで受講する方法です。学科は自力でできても、実技は指導を受けなければ難しいので、スクールで学びましょう。
受験資格は15歳9カ月以上の年齢の人です。また、視力、色覚、聴力、疾病や身体機能の障害における身体検査をパスしなければ学科試験を受けられません。この身体検査は所定の証明書を持参して最寄りのクリニックで受診し、受け取ります。受講場所によって多少異なりますが、受験にはこの身体検査証明証・受験申込書・住民票・パスポートサイズの証明写真3枚・印鑑が必要となります。
ジェットスキーの免許の取得の流れ
特殊小型船舶操縦士の免許は、操縦者の心得及び遵守事項・交通の方法・運行の3科目合計50分で、各科目50%以上正解し、全体で65%正解することが求められます。ちなみに、一級または二級の免許を所有している人は一部受験科目が免除となります。例年の合格率は90〜92%なので、頑張ればきっと合格できるはず。頑張りましょう!
一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会:https://www.jmra.or.jp/license
免許取得に必要な費用
費用は団体やスクールなどにより差がありますが、相場は4万円〜8万円程度。スクールなどではペア割割引や学割、シルバー割などを行っているところもあるので、通いやすい場所や自分に合った条件、スケジュールや内容を調べて決めましょう。免許を受け取るまでの期間もまちまちで、試験に合格したその日のうちに免許を交付してもらえるところもあれば、数週間要するところもあります。
ちょっとハードルが高そうに感じていたジェットスキーの免許も具体的に知ると取れそうな気がしてきませんか。ぜひ次の夏に向けて、新たなスキルを身につけてワンランク上の遊びにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。