海中散策ができることで、人気の高いマリンアクティビティの一つであるダイビング。
しかしダイビングは海に潜って行うという性質上、いつ事故が起こっても不思議ではありません。
実際にこれまで、ダイビングの事故は頻発しており、死亡例も少なくありません。
ダイビングをする方は、教訓のためにも、これらの事故について知っておくべきです。
今回は、実際に起きたダイビング事故について紹介していきます。
ダイビング事故はどれくらい起こっている?
海上保安庁が発表した、平成17年から26年までの各年のダイビングの事故件数は、以下の図のとおりです。
このように、平成17年から26年までは、年間でダイビングによる事故が最小で30件、最大で58件も起きています。
10年間の事故件数の合計は456件にもおよび、このうち死者と行方不明者の数は158人です。
これは、決して見過ごせない数だと言えるでしょう。
実際に起きたダイビング事故まとめ
ダイビングでは、実際にどのような事故が起きているのでしょうか。
ここでは過去数年で起きたダイビングの事故のなかから、5つの実例を紹介していきます。
ケース①口からレギュレーターが外れたことによる事故
2017年7月29日、沖縄県宮古島市の海で、65歳の男性が死亡しました。
この男性は、宮古島市のダイビングショップが主催するダイビングに参加中でした。
男性は、4人組のグループでダイビングをしていました。
しかしその途中、水中で呼吸をするために必要な「レギュレーター」が外れた状態で、水深5メートルのところで意識を失っているのを付き添いのガイドに発見されました。
男性は船に引き上げられるも意識が戻らず、心肺停止状態で病院に緊急搬送されましたが、そのまま死亡が確認されました。
ケース②ダイビング中、行方不明になった男性
2017年8月13日、鹿児島県の海で、76歳の男性が行方不明になりました。
男性は仲間とプレジャーボートで島を訪れ、一人でダイビングをしていたようでした。
しかし男性はなかなかボートに戻らず、心配した同乗者は通報して捜索を依頼したそうです。
同所の海上保安部が海を探索したところ、3時間後に、海底に沈んでいる男性が発見されました。
男性は心肺停止状態で病院に運ばれ、死亡が確認されました。
ケース③レギュレーターが外れてパニック状態に!
2017年8月14日、香川県の海で、女性がダイビング中に行方不明になりました。
女性は男女4人組でダイビングをしていましたが、陸に戻る途中、口からレギュレーターが外れたことでパニックを起こし、そのまま沈んでしまいました。
仲間の一人が女性を助けに海に潜りましたが、海中に沈んだ女性の姿を見つけられなかったようです。
それから約1時間後、女性は水上バイクに発見されましたが、すでに亡くなってしまっていたそうです。
ケース④エアー切れでインストラクターが死亡
2019年2月24日、静岡県の海で、ダイビングのインストラクターをしている男性が亡くなりました。
男性は、他のダイバーと一緒にダイビングをしている最中でした。
ダイビングが終わる直前、男性のタンクはエアー切れで、仲間のダイバーから予備のレギュレーターである「オクト」をもらいながら安全停止していました。
しかしその後、いつの間にかいなくなってしまったそうです。
仲間のダイバーたちが捜索後、海上に上がると、行方不明になっていた男性が仰向けで海面に浮いているのが発見されました。
男性ダイバーは病院に搬送されましたが、そのまま死亡が確認されました。
死因は、エアー切れによる窒息だったようです。
ケース⑤ダイビング中に気分が悪くなり、船に上がるも心肺停止に
2019年6月12日、沖縄県那覇市でダイビングをしていた男性が、心肺停止状態で病院に運ばれました。
男性はインストラクターや他の参加者と3人でダイビングをしていましたが、その途中で気分が悪いと訴え、船に上がったようです。
しかし男性は、その後で容態が急変し、心肺停止状態になりました。
男性は病院に運ばれた後、無事に息をふきかえしました。
幸い、男性の命に別状はないとのことです。
まとめ
ダイビングはマリンアクティビティのなかでも、人気のあるスポーツです。
しかし海中深くに潜って行うダイビングは、危険と常に隣合わせです。
実際にこれまで数多くの事故が発生しており、亡くなってしまった人の数も少なくありません。
死亡者のなかには初心者だけでなく、ダイビングのベテランやインストラクターも含まれます。
そのため、ダイビングをする際は、こうした事故が起こり得ることを理解したうえで、十分注意して行うようにしましょう。