こちらでは、海女さんの歴史や漁の方法、海女になる方法などについてご紹介致します。
海女のすごさは、環境への高い適応力と獲物の生態などに関する豊富な知識。
現在は減少傾向にある海女ですが、その魅力がメディアで紹介されることも多く、海女になりたいという若い女性の存在もあります。
そんな女性のために、最短で海女になる方法なども紹介していますので、是非ご覧になってみてください。
海女さんとは?
海女さんとは、海に潜ってサザエ・アワビ・牡蠣・ウニなどを獲ったり、真珠養殖に関わる作業を行ったりする女の人のことです。
男性の場合ですと「海士」、また、性別関係なく「海人」と書き表し、読み方はどれも“あま”となります。
海女さんの仕事はいつからあるの?
海へ潜って漁をする人たちについての最も古い記録は、3千年以上前の“魏志倭人伝”だと言われています。
また、約1200年前につくられたとされる日本最古の和歌集“万葉集”には、現在の四国や九州、東海などの主に太平洋に面した地域で潜る海人の記述もあります。
海女さんの漁の種類と方法
海女の漁の仕方は、主に3種類あります。
1つは、「夫婦海女」と言われ、命綱をつけた妻(海女)が海へ潜り、船上の夫が命綱を握ります。夫が妻(海女)の潜水と浮上を助けるため、一人で行う漁よりも効率が良く、短時間で多くの獲物を捕ることができます。
2つ目は、「舟人海女」。複数の海女さんが舟に乗り込み、漁場で舟が停泊したら、海女は自分専用の磯桶を持ってそれぞれ海へ入ります。特定の獲物を捕る場合や、漁場まで遠い場合に使われる方法です。
3つ目は、「徒人海女」と言い、舟を使わず、磯桶に掴まりながら泳いで漁場まで行きます。3つの中で最もオーソドックスな方法で、一番古くから行われている漁の仕方です。
海女さんのココがスゴい!
現在、60代~70代の女性が中心となって活躍している海女。そのすごさは、適応力と豊富な知識です。
海で漁をする適応力
男性と比べて女性は皮下脂肪が適度についているため、冷たい海水に耐える力があります。今はウェットスーツを着用して量をする海女が多いですが、昔は1月の凍るような寒さの中でも上半身は裸、腰巻だけ着けて潜っていました。
丸みを帯びた体つきの海女さんが多かったのもそんな理由があるからです。
また、海女の持続力も女性ならではの理由があると言われています。男性の海士が一日かけて獲る量は海女を上回ることもありますが、年間を通してみると大差がないことがわかっています。
海士が瞬発力なら海女は持続力。同じことを根気強く続けていける女性に合う働き方とも言えますね。
海や獲物の生態を知り尽くす知恵
海女のすごさは、潜水技術だけではありません。経験から得た様々な情報は、長い年月を経て蓄積され、海女の体と脳に刻み込まれています。
海流や潮を見る目、獲物の育成度合いや産卵時期に至るまでの知識。海女さん達が安全で長期的な漁を行えるのは、そういった漁場(海)のコンディションや獲物の生態などを感覚的に把握できているからなのです。
海女さんになる方法
海女さんになるになるためには、いくつかの条件や求人を探すテクニックが必要となります。
海女さんになるための条件
海女の仕事は、資格や免許を取得する必要もなく、自分の身体一つで行えるシンプルな作業ではありますが、それだけに体が資本です。
冷たい海水に潜ったり息を止めたりしても心臓に不安はないか?目耳鼻に関わる疾患はないか?皮膚疾患はないか?など、様々なチェックポイントがあります。
更に、健康状態の良しあしに限らず、泳ぎや潜水、耳抜きなどの技術的な面でも得意不得意がありますので、自分自身で海女に向いている身体なのかしっかりとした見極めが必要でしょう。
もう一つの条件としては、海女を生業とするのでしたら、勤務地は海女漁が盛んな地域となります。都会に住んでいる方の場合は、移住計画も必要となるでしょう。
海女さんになる最短の方法
海女になるための最短の方法は、求人募集を見つけることです。
ただ、海女さんを募集すること自体が少ないため、一般的な求人雑誌やネットサイトで海女さんの募集案件を見ることはほとんどありません。そこで、海女さんになる最短の方法としておすすめなのが、海女と関りのある団体各所への問い合わせです。
まずは、海女漁を行っている地域を探し、自分が定住しても良いと思える場所を絞り込みます。現在、海女が多い地域として知られるのは、三重県、石川県、千葉県などです。
地域を絞ったら、そこに最も近い漁業協同組合や役所に連絡して、海女の求人について尋ねてみましょう。
また、一般社団法人全国漁業就業者確保育成センターのサイトでは、全国の漁業関連の求人情報を見ることができます。
現在のところ、海女さんの求人は1件のみでしたので、やはり、地域の関係機関に直接問い合わせる必要性は出てくると思います。
地域によっては、町おこしの一環として海女さんを募集することもあります。募集期間が限られていることが多いため、問い合わせ時に今後募集をする予定があるのかどうかも尋ねてみると良いでしょう。