ダイビングをしていると、耳の中が空気で詰まったような感覚に襲われることがあるはずです。
この状態は、耳抜きをすることで解消できます。
しかしなかには、この耳抜きが上手くできないという人も少なくありません。
そこで今回はそんな方のために、ダイビングの耳抜きのコツや耳抜き不良への対処法について説明していきます。
ダイビングにおける耳抜きとは
ダイビング中は、水圧で鼓膜が圧迫されるため、耳の中が詰まったような痛みを感じるようになります。
このとき、耳にかかった違和感を取り除くためにするのが耳抜きです。
耳抜きは、「耳管通気」とも呼ばれています。
「耳管」とは、中耳と咽頭をつなぐ管です。
耳管に詰まった空気を外に出し、正常な状態に戻すのが耳抜きの目的です。
耳抜きのやり方
耳抜きのやり方は、主に以下3種類あります。
- バルサルバ法
- フレンツェル法
- トゥインビー法
「バルサルバ法」は、鼻を指でつまみ、鼻をかむようにして空気を耳から出す耳抜き方法です。
「フレンツェル法」は、こちらも鼻をつまんで、舌の付け根を上に持ち上げることで耳抜きができます。
「トゥインビー法」は、鼻をつまんだまま、あごを動かしたり、つばを飲み込むことで耳抜きする方法です。
これらの耳抜き方法には向き不向きもあるので、それぞれの方法を試してみて、やりやすいものを見つけましょう。
耳抜きのコツ
うまく耳抜きをするコツは、主に以下3つあります。
- こまめに耳抜きする
- 耳抜きしたい方の耳を上に傾けて耳抜きする
- 潜る前にガムを噛んでおく
耳抜きは、耳に違和感が出てからする人が多いでしょうが、その前から、こまめにするようにしましょう。
こまめに耳抜きをすることで、耳抜きがしやすくなります。
理想なのは、潜水直前にも一度耳抜きをしておくことです。
また、耳抜きがうまくできない場合は、耳抜きしたい方の耳を上に傾けた状態でやってみましょう。
水中では、空気は上に上がる性質があるため、空気が抜けやすくなります。
海に潜る前に、ガムを噛んでおくのもおすすめです。
ガムを噛むことで、つばが出やすくなるため、先ほど紹介したトゥインビー法に役立ちます。
ただし危険なので、ガムを噛みながらダイビングするのはやめましょう。
耳抜き不良とは
ダイバーのなかには、耳抜き不良を起こす人も少なくありません。
耳抜き不良とは、先ほど紹介したどの耳抜き法を使っても、耳抜きがうまくできないことを指します。
では次から、耳抜き不良の対処法について紹介していきましょう。
耳抜き不良の対処法
耳抜き不良の人のなかには、耳鼻科に受診し、検査を受ける人も多くなっています。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など、鼻の病気が原因で耳抜きができない場合は、その治療をしてもらいます。
しかし、このケースは少数で、技術的な問題で耳抜きができない人がほとんどのようです。
このように、耳抜きがうまくできない人におすすめな方法が、「オトヴェント」で耳抜きの練習をすることです。
オトヴェントは、滲出性中耳炎の治療を目的に作られた医療用器具で、鼻につけるノーズピースと、その先に付いたバルーンで作られています。
鼻でバルーンを膨らませることで耳管を開き、中耳内圧と外の気圧を等しくできるのです。
オトヴェントは、ダイビングの耳抜きの練習にも使用されています。
使い方は、ノーズピースを鼻に挿し、息を吹き込んでバルーンを膨らませるだけです。
バルーンは2秒かけてグレープフルーツ大くらいの大きさに膨らませ、その状態のまま2秒間キープします。
これを繰り返し練習することで、先ほど紹介した耳抜き方法の1つである、バルサルバ法が自然にできるようになります。
この練習に慣れてきたら、オトヴェントなしでもバルサルバ法の練習をするようにすれば、なお良いでしょう。
オトヴェントは医療器具ですが、ネット通販などでも販売されており、安いものなら、1,000円程度で購入可能です。
まとめ
ダイビングをしていると、水圧によって鼓膜が圧迫され、耳に空気が詰まったような状態になります。
この状態を解消するため、耳抜きは必須です。
耳抜きには、主に以下3つのやり方があります。
- バルサルバ法
- フレンツェル法
- トゥインビー法
ぜひこの記事を参考にして、それぞれのやり方を試してみて、自分に合うものを探してみましょう。
また、どの方法でもうまく耳抜きができないという方は、オトヴェントを使用して、耳抜きの練習をするようにしましょう。