2020年に行われる東京オリンピックでサーフィンが追加種目競技に決定しました。サーフィンは、全世界で趣味やスポーツとして親しまれるグローバルスポーツですが、競技となると、意外とルールや審査基準は知らない人のほうが多いのではないでしょうか。そこで今回は、サーフィンの競技内容やルールをご紹介します。
オリンピック種目「サーフィン」とは
2020年の東京オリンピックで行われるサーフィン競技は、房総半島の東側に位置する千葉県長生郡一宮町にある「釣ヶ崎海岸広場」で行われます。海水浴でも有名な九十九里浜の最南端にあります。
サーフィンで使用されるボードには275㎝以上の「ロングボード」、200㎝~260㎝の「ファンボード」、170㎝~190㎝の「ショートボード」の3種類ありますが、オリンピックで採用されたのは「ショートボード」になります。ショートボードはダイナミックな演技やスピード感が期待できるとされており、迫力あるサーフィンを観戦することが可能です。
また、出場選手は男女それぞれ20名とされています。合計40名がメダルをかけて争っていくことになります。
競技ルールについて
オリンピックのサーフィンは技の難易度や綺麗さを競う競技です。採点は3名から5名のパネルジャッジが採点を行い、ヘッドジャッジがそれをまとめて算出されます。難易度が高い技を正確に決めることで高得点になり、技を行うに適した良い波を選ぶのもポイントになります。自然によって生まれる波による不公平感をなくすために「2ウェーブ制」が採用されています。これは、競技時間内に獲得した点数の中から高得点の2本の合計を競う方式です。これによって勝敗が決まっていくのです。
観戦ポイント
サーフィンという競技は、審査員がスコアをつける競技です。どちらかといえば、フィギュアスケートやシンクロナイズドスイミング、などに近い競技といえるでしょう。そのため、審査基準などを含め競技に興味のある方は事前に大会を見に行ったりテレビなどで観戦しておくほうが理解が深まっていいかもしれません。
サーフィンは単に技術の優劣を競うだけでなく、その時々の波や海という自然を相手に対応していかなければならないスポーツです。観戦する際には、選手がいかに状況に合わせて、どのような技を選択して、いかに美しい技を披露しているかを見るとより一層面白くなるでしょう。
また、屋外での観戦になることから日焼けや天候に左右される面が出てくることは間違いありません。準備を入念に行っていくことが、良い観戦につながっていきます。また、忘れてはならないのが双眼鏡です。観戦地点から競技者を肉眼で見るのはなかなか難しい距離にあります。しっかりと見るためには、ぜひ用意しておく必要があるのではないでしょうか。
世界の注目選手
ジョン・ジョン・フローレンス(ハワイ)
2016年・2017年と2年連続でワールドタイトルを獲得した現役最強選手です。サーフィンに限らず2年連続でワールドタイトルを獲得するということが難しい中、それを成し遂げるのですから相当の技術を持った選手といえるでしょう。サーフィンでは15年ぶりに達成された記録だそうです。
日本の注目選手
日本では「NSA(一般社団法人日本サーフィン連盟)」が82名の強化指定選手を選んでいます。2020年の東京オリンピックで日本代表に選ばれるのは、男女それぞれ1人ずつとされています。「狭き門」どころか「狭すぎる門」を潜り抜けて代表になるのはいったい誰なのでしょうか。
稲葉玲王
13歳の時に史上最年少でプロサーファーになったエース候補の選手です。強化指定選手の中でも「A指定選手」となっており、日本代表に選ばれる可能性も非常に高い選手です。
野呂玲花
野呂玲花選手も、強化指定選手の中で「A指定選手」となっているサーファーです。自らサーファーチームを立ち上げるなど、精力的に活動されていることでも知られています。
松田詩野
14歳ながら、A指定選手になった将来を嘱望されている若き選手です。2年後には16歳ですので、東京オリンピック以降も大きな期待を抱かせてくれる選手になりそうです。
五十嵐カノア
ワールドランキングでも上位を常ににぎわせている五十嵐選手ですが、日米両方の国籍で持っています。かねてより「日本代表として出場したい」と願っていました。今回、関係各所の調整により強化指定選手にも選出されました。今季のツアーにも日本代表として出場することが濃厚となっています。日本代表となれば、オリンピック代表最有力候補といっても過言ではない選手の1人です。