泳いだり、マリンスポーツをしたりと、海は楽しいところですが、危険も潜んでいます。
その危険の一つが、エイの存在です。
エイは毒を持っており、刺されると大きなダメージを受けてしまいます。
今回は、エイに刺されるとどうなるのか、また刺されないための予防法と、刺されたときの対処法について説明していきます。
エイに刺されるとどうなるのか!?
エイに刺されたときの痛みは、金槌の尖っているほうで殴られたような鈍い痛みだと、よく表現されます。
しかし刺されたときよりも、時間が経ってからのほうが、痛みはより強くなります。
局所症状では、こうした痛みのほか、患部の腫れやしびれがあります。
刺されてからしばらく経って、歩けなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
全身症状としては、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢、呼吸困難に陥ることもあります。
エイに腹部などを繰り返し刺され、死亡した人の例もあるほどです。
エイに刺されないための予防法
エイが自分から近づいてきて、いきなり人を刺してくるということはありません。
エイに刺されるほとんどのケースは、砂浜にいるエイを誤って踏んづけてしまったことが原因です。
エイは砂に埋もれているため、気づかずに踏んでしまうことも多いのです。
砂に埋もれたエイを見つけることは困難ですが、砂浜ではすり足で歩くようにすれば、踏んづけてしまう確率が低くなります。
エイは、海中の砂の中にも潜んでいます。
そのため、サーフィンをする場合、浅瀬などでも砂の上を歩かず、パドリングするようにしましょう。
ダイビングの際も、むやみに砂の上を歩かないようにすることが大切です。
エイに刺されたときの対処法
ここまでエイに刺されないための予防法について説明してきましたが、それでもエイに刺される確率がゼロになるわけではありません。
もし刺されてしまった場合、処置を怠れば、事態が重くなってしまいます。
そのため、海によく行くという人は、今のうちにエイに刺されたときの処置方法について知っておきましょう。
ここでは、エイに刺されたときの対処法について説明していきます。
患部からトゲを抜く
エイに刺されたら、海中にいた場合はすぐに陸に出て、患部を確認しましょう。
患部には、エイのトゲが刺さっていることがあります。
このトゲをそのままにしておくと、毒がどんどん体内に入ってきてしまいます。
そのため、ペンチやピンセットなどを使って、トゲを抜きましょう。
血と一緒に患部に入った毒を出す
トゲを抜いたら、患部を消毒しましょう。
消毒後は、すぐに止血せずに、患部を揉むなどして、血と一緒に毒を出しましょう。
このとき、患部の周囲も揉むと、より効果的です。
患部を温める
毒出しと止血が終わったら、患部を温めましょう。
エイの毒は、温めると分解される性質を持っています。
バケツなどに45度のお湯を溜め、30~90分ほど、患部を浸けましょう。
患部を温めている間は、痛みもいくぶん楽になります。
痛み止めを飲んでおく
先ほども説明したとおり、痛みは後になって余計にひどくなります。
そのため痛みがマシなうちに、痛み止めを飲んでおきましょう。
一緒に海に来た仲間がいるなら、ドラッグストアなどで買ってきてもらうといいでしょう。
病院で処置を受ける
応急処置が済んだら、病院に行くようにしましょう。
病院では、主に以下の処置をしてもらえます。
- 傷口の洗浄
- トゲの除去
- 患部をお湯に浸ける
- 破傷風や感染の予防
- ブロック麻酔
治療後は、痛み止めと一緒に抗生物質を処方してもらいましょう。
なぜならエイに刺された際に、傷口に雑菌が入っている可能性があるからです。
傷口の深くで化膿が起こると、傷の部分を切開し、化膿した箇所の除去手術を受けなければなりません。
そうならないためにも、抗生物質は必ず飲んでおきましょう。
痛みがなくなるまで患部を温める
病院で処置を受けても、患部の痛みは続きます。
そのため、帰宅後もとにかく患部を温め続けることが大切です。
ここでも、45度のお湯に患部を浸し続けましょう。
患部が痛まなくなれば、ひとまずは安心です。
まとめ
砂浜や浅瀬の砂の上を歩いていると、砂の中に埋もれたエイを踏んづけて、刺されてしまうことがあります。
人の多い海水浴場などではあまりないケースですが、人気の少ない砂浜などでは十分注意しましょう。
もし刺されてしまった場合は、以下の手順で処置をしましょう。
- 患部からトゲを抜く
- 患部から毒を出す
- 患部を温める
- 痛み止めを飲む
- 病院に行く
もしエイに刺されてしまっても、パニックにならないように、ぜひこの処置方法を覚えておきましょう。