海が真っ赤に染まる「赤潮」、あなたは説明できますか!? 

デイリーライフ

 

投稿日時:

最終更新日: 2018.07.8

海が真っ赤に染まる「赤潮」、あなたは説明できますか!? 

海や湖の環境汚染の代表格としてその名が知られているのが「赤潮」です。近年では瀬戸内海や大阪湾などの海をはじめ、琵琶湖などの湖でも発生が報告されています。赤潮とはそもそもどういったもので、どのように対処していけばよいのでしょうか。今回は、この赤潮についてご紹介します。

目次

赤潮とは

赤潮とは
出典:Wikipedia
「赤潮」とは、プランクトンが異常発生することで起こる現象で、水が赤く染まったように見えることからその名前が付けられることとなりました。そもそもは気象の変化や火山活動など、自然環境の変化によって起こる現象でした。かつては平安時代にも赤潮が発生していたことが記録されているほど、日本でもある意味ではなじみ深い自然現象なのです。しかし、近年ではその発生要因が自然的なものから人為的なものへと変わってきているのが大きな特徴です。

赤潮は一般的には、プランクトンの餌となるものが水中に多量に含まれることで発生します。プランクトンの餌は、人間が使用する農薬や肥料、さらには洗剤といったものに含まれている窒素やリンなのです。これが増えることを「富栄養化」といいます。海水が富栄養化した時に太陽の光を大量に浴びると、大量のプランクトンが発生することになるのです。プランクトンといえども生物であるのは間違いないですから、呼吸をします。あまりに大量のプランクトンが一斉に呼吸することになるので、水中が酸欠状態になります。そのため他の生物が呼吸することが困難になり、最悪の場合は死に至ることすらもあるのです。それだけではありません。魚のえらにプランクトンが詰まってしまうことで呼吸ができなくなってしまったり、プランクトンの毒によって死んでしまったりすることもあります。赤潮はもはや、公害といっても過言ではないのです。

赤潮を引き起こすプランクトン

赤潮を引き起こすプランクトン
赤潮を引き起こすのは、珪藻類・渦鞭毛藻類・ミドリムシなどの植物系プランクトンが中心となります。食物連鎖の関係上からも、水中には程度な量のプランクトンがいないと成り立ちません。しかしプランクトンが異常に発生してしまうと、食物連鎖の上位にいる生物(魚など)が死んでしまうケースが後を絶ちません。そうなると食物連鎖のバランスが崩れてしまい、生態系が破壊されてしまうことにもつながってしまうのです。実は近年では単なる環境汚染の問題だけにとどまらず、この生態系が破壊されるということが大きな問題となっています。これらはすべて人的な要因による環境汚染なのです。そのことを肝に銘じておかなければならないのです。

赤潮の影響

人間が発生させているといっても過言ではない赤潮ですが、その影響はなにも自然環境だけに及んでいるのではありません。しかし、それだけにはとどまらず人間の生活にも大きな影響を及ぼすこととなっているのを見逃してはいけません。
赤潮の影響
例えば、漁業への影響は非常に甚大です。そもそもプランクトンの異常発生によって酸欠状態になって死んでしまう魚が多いのです。魚が死んでしまうということは、漁獲量の減少に直結してしまうことになるのです。さらに大きな影響を受けるのが養殖業者です。養殖場近くに赤潮が発生すると、そこで養殖されている魚などの生物すべてが大きなダメージを受けてしまうことになるのです。最悪の場合には、養殖場内の生物すべてが死んでしまうということだってあり得るのです。

一般的な量において赤潮が発生した場合には、別の漁場で漁を行ったり、新たな漁場を開拓したりすることで解決することが可能なケースがほとんどです。しかし、養殖の場合にはそうはいきません。その魚に最適な環境を作り出して育てているため、他の水域で養殖を行うということは非常に困難なのです。養殖はなかなか代替がきくものではありないのですつまり養殖場にひとたび赤潮が発生してしまうと、漁獲量に大きな影響が一時出るだけではなくその技術やノウハウをはじめ、将来にわたってまで魚が獲れなくなってしまうという人間にとってはとても大きな影響を受けてしまうことになるのです。

一般的には、人体に大きな悪影響を及ぼすということは現時点では報告されておりません。なかなかそんな人はいないとは思いますが、赤潮の中を泳いでみたり少し飲んでしまったりしても大丈夫だといわれているのです。しかし赤潮を生み出すプランクトンの中には、とても毒性の強いものが存在しているのもまた事実としてあります。あまりに多くの海水を摂取してしまった場合や、そもそもそのようなプランクトンが大量に存在していた場合には人体に影響を及ぼすのではないかと考えられています。万一そのような事態を引き起こしてしまった場合には、病院などに行って治療を行う必要があるでしょう。

また、赤潮が発生するのは自身の予兆であるということが一部では考えられているそうです。これは、地震大国である日本において、非常に大きな地震の前には必ず赤潮が発生していたということが言われているからだそうです。実際に、東日本大震災が発生した3月11日の朝には、三河湾に赤潮が発生していたという情報もあるそうです。

しかし現在のところ、赤潮と地震の明確な関連性は報告されてはおりません。赤潮は自然要因でも発生しますので、もしかしたら何かしらの関連があるのかもしれませんが、それは研究の結果を待つ必要がありそうです。

赤潮の対策

赤潮の発生を、環境要因から防ぐということは非常に困難です。しかも現在の発生要因の大半を占めているのは人的要因です。まずは、我々が意識をしていくよいうことが最も重要なことなのです。
赤潮の対策
赤潮を発生させないようにするためには、「水の富栄養化しないようにする」ということに心がける必要があります。つまり生活排水や工場排水は極力きれいな状態にしてから排出するようにしたり、そもそも出さないように工夫することが求められているのです。

もう1つは、地球温暖化を防ぐということにあります。地球温暖化により海水温が上昇することで、富栄養化は加速度的に進んでいくことになります。頻繁に赤潮が発生するということは、地球温暖化が進んでいるということを表していると言い換えることもできます。近年の非常に大きな問題となっている地球温暖化は、赤潮にも大きな影響を与えているのです。
赤潮の対策
地球温暖化を防ぐためには、以前から叫ばれているように個人の取り組みが非常に重要になってきます。例えば買い物のレジ袋はもらわずにエコバックを利用したり、エアコンの設定温度を少し変え(例えば冷房の設定温度を1℃上げ、暖房の設定温度を1℃下げるなど)たりすることでも大きな効果が得られます。地球環境にやさしい暮らし方をすることで、赤潮を抑えることもできるのです。

赤潮は、人間が地球に対してどのような暮らしをしているかというバロメーターのようなものになっていると考えることができます。1人1人の生活意識を変化させていくことが、赤潮、ひいては地球環境の改善に大きな力があるということを認識しておく必要があるのです。

TOP画像出典:Wikipedia

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